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「クルマを止めて、100メートルくらい歩くんですけど、雪の高さは腰まであるんです」
日本有数の豪雪地帯として知られる新潟県は湯沢町(南魚沼郡)、六日町(南魚沼市)。この雪国を拠点に、約2,700世帯に牛乳などの宅配を行っている有限会社大樹販売の代表取締役、菊池さんが、雪国ならではの苦労話を語ってくれました。
「周りは真っ白、なにも見えない白銀の世界。あるべきところに道がない。確かこのへんは道だったよなあ、という感じです」
いざ配達に出ようと駐車場に向かうと、配達車の屋根には雪が1メートルも積もっている。寒さでエンジンは凍りつき、なかなかかからない。エンジンがかかっても車軸が凍っているのか動いてくれない‥‥これ以上は車両が進めないという地域もあり、そんなときは冒頭の話のように道なき道を歩いて進み、やっと1本の牛乳が届けられます。
「玄関が完全に雪で埋もれていて、スコップで掘り起こしてお届けすることもあるんですよ」と、菊池さん。雪のシーズンは車両に常時スコップを積んでいて、雪かきをしてあげることもあるそうです。
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雪深いこの地域は玄関が二重になっていることが多く、牛乳箱は外玄関の内側にあるのがふつうです。必然、宅配するためには玄関を開けることになりますが、そのとき大樹販売では「こんにちは!」と声をかけることにしているそうです。お客さまがいらっしゃれば手渡しします。
「この地域は明け方に除雪することが多いから、お昼ごろお届けするのがふつうなんです。夏場もお昼の配達になりますから、冷蔵車で運んだ牛乳はそのまま冷蔵庫に入れてもらったほうがいいでしょう。それで手渡しすることにしているんです」
「大樹」には“地元の大きな樹になろう”という意味合いが込められているとおり、この牛乳の手渡しは、地域のコミュニケーションにも役立っています。
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「大樹販売」のロゴが入ったそろいのユニフォームに身を包んだ従業員には、女性の姿が目立ちます。六日町の事務所で感じられたアットホームな雰囲気は、牛乳の宅配業務にも生きています。
「お届けにあがって玄関を開けたら、おばあちゃんが正座して待ってることもあるんですよ。“そろそろ来るころかと思ってた”なんて(笑)」と、美樹さん。
「お客さまなんですけど、おじいちゃん、おばあちゃんという感じ。つい世間話に花が咲いてしまって、なかなか次の配達先に行けないこともありますね(笑)」と、美聡さん。
美樹さんと美聡さんは姉妹です。牛乳宅配店を開業した父親、菊池さんの仕事をみているうちに興味をもち、いまでは大樹販売の運営に欠かせない存在に。地元のFM放送「エフエムゆきぐに」でPR番組にも出演している人気者です。
「お客さまのおばあちゃんに、“うちのお嫁に”と言われたこともあるんですよ」
思わず笑う美樹さんですが、これは地域コミュニケーションがうまくいっている証とも言えるでしょう。都会に比べれば高齢者が少なくない地域のことです。こうした手渡しして言葉を交わすコミュニケーションは、情報交換など地域の活性化だけでなく、お年寄りの安否の確認などにも役立っています。
また、六日町の夏祭りに参加して牛乳などを無料配布したり、六日町店にイルミネーションの装飾を施したりと、地域貢献にも積極的です。
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「テレビを見ていると、東京やディズニーランドでイルミネーションが話題じゃないですか。このエリアにはそういうのはほとんどありませんから、規模は及びませんが、昨年のクリスマスシーズンは5,000球ほど飾ってみました。わざわざクルマで見にこられた方もいらっしゃったようですよ」(菊池さん)
大樹販売の配達用車両はすべて冷蔵車ですが、それがひょんなところで役立ったことも。
「テレビのニュース番組がスタジオに雪だるまを飾りたいという話があったんです。そのときは、うちの冷蔵車で東京まで雪だるまを運んだんですよ」(同)
元々は地元の企業にきた話でしたが、大樹販売はその企業と連携してこのプロジェクトに臨みました。
「結果的に新潟のPRにつながることですから。これからも地域内での貢献だけでなく、もっといろいろなことにチャレンジしていきたいですね」(同)
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菊池さんに、湯沢、六日町のおすすめスポットをご紹介してもらいました。
「やはりこの辺りはスキーですね。特に湯沢には多くのスキー場があって、シーズンぎりぎりまで賑わっています。それから温泉。湯沢温泉は湯質も最高です。温泉宿もいいものですが、外湯めぐりも楽しめます。あとは、お米。トップブランドとして知られているのは、塩沢産のコシヒカリですね」
「湯沢温泉」については、TOWN GUIDEをご覧ください。 |
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