牛乳の乳固形分中で一番多いのが糖質です。この糖質は、99.8%が乳糖と呼ばれ、砂糖などと違い甘さがほとんどありません。従来、炭水化物は、糖質と食物繊維の総称のことでしたが、牛乳には食物繊維が含まれていませんので、糖質だけの乳糖(ラクトース)の働きに限定して、ご紹介いたします。
乳糖は、体内で乳糖分解酵素(ラクターゼ)によってグルコース(ブドウ糖)とガラクトースに分解され、吸収されます。しかし、この分解の確率は低く吸収速度が遅いため、そのほとんどは腸内の善玉菌のエサとなって、善玉菌が乳酸や酢酸を分泌します。これらの酸はヨーグルトと同様に腸内の有害な細菌の繁殖を抑える働きが認められています。
また乳糖は、カルシウムと鉄分の腸管での吸収を高める働きも認められています。
ただ、日本人の成人(子供は少ない)の場合、体内の乳糖分解酵素(ラクターゼ)の働きの弱い人がいます。特にこの酵素の働きの弱い人が日本人には約10%前後で、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしたり、下痢をしたりします。こうした症状を乳糖不耐症といいます。多くの方の場合、牛乳をあたためて、毎日少しづつ噛むようにして飲み、量を増やしていくと、乳糖分解酵素(ラクターゼ)の働きが活性化してきます。ヨーグルトはある程度乳糖を分解してありますし、チーズは製造過程で乳糖が少なくなっています。乳糖をほとんど分解した「乳飲料」もあります。